2013年12月28日
サンタの正体
昭和30年代のいつからかはおぼえていないが、
クリスマスイブに、枕元に靴下を置く習慣が、わが家にあった。
「今夜こそは絶対に起きて、サンタを待っていよう」
弟や妹はそう言ってはしゃいでいたが、いつの間にか寝入ってしまう。
〈ふふ、子どもだな。〉
そんなふうに弟妹を見ながら、
自分だけは「サンタ」が枕元に贈り物を置くのをきっちり見届けてやろうと、
長男の貫禄を示しながら思っていた僕だったが……。
深夜のことでもあり、ついウトウトしてハッと目を開けると、
枕元には、しっかりとそれなりの物が置かれているのだった。
その素早さというかひそやかさは、実に見事なもので、
僕たち子どもは、「枕元の靴下」を置く習慣がわが家からなくなるまで、
イブにあらわれるサンタの正体を見届けることは、できなかった。
Posted by Amy wu at
14:43
│Comments(0)